「行動分析学マネジメント」(2008年、日本経済新聞出版社)
「行動分析学マネジメント」(2008年、日本経済新聞出版社)

舞田が15年にわたり研究してきた、行動分析学による組織行動変革について、日本における行動分析学の権威である杉山尚子先生と一緒に書いた本です。

行動分析学とは心理学に属し、行動の原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする、日本のほかに国際的な学会もある正統な科学。随伴性というシンプルな原理を用いて人間の行動を予測し、強化・弱化・消去という手法を用いて効果的な行動の制御を可能にします。

従来、教育や医療およびスポーツの分野で応用されることの多かったこの学問を、組織マネジメントに応用することを舞田はずっと研究・実践してきており、その一応の成果を一冊にまとめたものです。

おかげさまで大変ご好評いただき版を重ね、2013年現在で第6版となっています。

 

前書きより

人の行動は、変えられる。組織の文化も、変えることができる。
そのための科学的・体系的な方法論を、わかりやすく伝えたい。
これが、本書の執筆理由です。(中略)
この本には、合併したばかりの会社を、主人公が行動分析学を使って変えてゆくケース・ストーリーが描かれています。この会社は架空ですが、そこで繰り広げられるエピソードは、著者が組織・人事コンサルタントとしてさまざまな会社で経験した実話がベースとなっています。

各ケースの後には解説がついており、ここで行動分析学の理論を説明しています。また、この本は組織管理者向けに書いたため、行動分析学だけではなく、エンゲージメントという組織活性化の指標や、人事制度の再改革といった、組織経営の重要コンセプトについても触れています。(中略)
ともあれ、人の行動を変え、組織を変革するのは、実際にはとてつもなく大変なことです。自分一人で頑張っても、できることには限りがあるかもしれません。また、組織は大物(おおもの)なので、簡単には動きません。気力と知力と体力のすべてをかけても、はがゆいほどゆっくりとしか変わらないこともあるでしょう。
しかしそれでも、人や組織の行動が変わった暁というのは感動的です。それまでの苦労が報われたと感じます。一人でも多くの方に、この感動を味わっていただきたい。本書には、そんな願いも込められています。・・(後略)

目次

  1. 今こそ組織・人材マネジメントに「行動の科学」を
  2. 褒めてやらねば、人は動かず – 好子による強化と弱化
  3. 鬼の上司が会社を伸ばす? – 嫌子による強化と弱化
  4. ネガティブ社員はこう扱え – 消去
  5. 活発な職場を取り戻す – 復帰
  6. 上手な褒め方、無意味な褒め方 – 強化スケジュール
  7. 「頑張れ」というだけでは業績は上がらない – 課題分析
  8. ハイ・パフォーマンス集団の作り方 – シェイピング
  9. 「勝ち味」を覚えさせよ – チェイニング
  10. 裏表のない組織を作る – 刺激弁別
  11. お互いの悪い癖を直す – プロンプト、代替行動
  12. 表彰制度はこう変えよ – 好子の種類
  13. フィードバックで新人を育てる – フィードバック
  14. マンネリが組織を不活性化する – 確立操作
  15. 過去の自分と決別する – 自己強化と抹殺法
  16. 「苦手な顧客」の克服法 – レスポンデント条件づけ
  17. コンプライアンスを高める – ルール支配行動、トークン
  18. 伸び続ける会社を作る

Client:

Category: Books

Date: 2008